父を見本にした”腰を痛めない米づくり”/高齢者でも持てる軽量サイズをネット販売へ

重いものを持つ時は腰を落として持ち上げる DIYを時短で回す

農作業では、重い物を持つたびに『腰をやったら終わりだ』と感じます。私の父は高齢になっても農作業を続けていますが、必ず腰に負担のない持ち方・運び方をしていて、それを間近で見るたびに『工夫次第で身体は守れるんだ』と気づかされます。そこで、今回、父を見本にし、”高齢者でも腰を痛めず持てる米袋サイズ”を考えました。自宅のファームストッカーでしっかり保管しながら、重くないサイズの小分け米をネットでも販売しようと思っています。

この記事では、

・父が実践している『腰を守る持ち方』

・重くない米袋サイズにしようと思うに至った理由

・保管方法(ファームストッカー)

・ブログ販売への足掛かりをまとめておきます。

同じように『重い米袋が負担だ』と悩む方の参考になれば嬉しいです。

父から学んだ『腰を痛めない農作業』のコツ

父が82歳になった今年の夏、毎日父がバケツの水を畑へ運んでいました。お米を運んでいた頃の身体のケアが畑作業に活かされているんだなと思い見ていました。

バケツに水を入れる父

ひねらない

すると、やはり今私がやっているお米運ぶ時と同様に、腰をひねらないで重心を落とし、運ぶ物をできるだけ腰に近づけて腰への負担を軽減しながら運んでいました。

重い物は腰をしっかり落として持ち上げます

普段から父とはあまり話すこともないですが、こんな慎重さは私自身父ゆずりかもしれません。

前に抱えず、身体に近づけて持つ

多少の重さの買い物した物を持ち運ぶ際でも、前にぶら下げるように持つのではなく、できる限り腰上の身体に引き付けて持ちます。

母の買い物の荷物を運ぶのを手伝う父の姿です。

5㎏以上は2回に分ける

このアルミブリッジはアルミといえど1本約6.5㎏あります。作業上効率的でないので、圃場でのスタック脱出に使う場合でも腰を労る程です。急いで2本同時に無理な体勢で持ち運ぶことはありません。腰を痛めて療養にかかる時間を考えると、5㎏以上の物の場合は2回に分けて運ぶのが長い目で見ると時短となるのです。

台・踏み台・自動車荷台の高さ利用

最近はこのように、荷室を広げて重いものを運べるようになっている車も多くあります。ここにまずは重い物を置き、持ち上げるスタート位置をこの位置にして腰近づけた上で運ぶのが理想です。

お米を運ぶため軽乗用車(ハスラー)のシートをセッティングします

腰下で運ばないようにする

その上で、そういった腰より高い位置を起点に、腰を近づけて運ぶようにすると腰の負担軽減を図れます。

納屋に不要新聞紙を運ぶ父
理想的な位置で腰を労わり古紙(こし)を運ぶ父。50歳のオッサンのだじゃれをお許しください😊。

『米袋が重すぎる問題』-高齢者・女性・腰痛持ちが困っている-

通常の米袋(20㎏~30㎏)は現実的に重すぎる

お米の業者あるいは我々農家が一般的に運ぶ米(農家が引き取る米は保有米と言う)は30㎏単位の袋が主流ですが、これは一般の方には重すぎる重さです。

保有米引取伝票

持ち上げた瞬間に腰を痛めるリスク

慣れている我々でも腰を痛めることはよくあります。

30kgの米袋が8袋収まった車内

毎年『米袋 痛い』『米袋 重い』で検索する人多数

どうしても数が多い時など、面倒くさくなったり、疲れたりで気が抜け、持ち方を誤り腰下から引っ張り上げるように持ち上げた瞬間に腰を痛めてしまうのです。

横からも後ろからも腰のちょうど近くで持ち上げれる高さに米袋があります。

小分けの需要は確実にある

小分け販売あるいは贈答用の袋はお店(ホームセンター等)に様々な種類が取り揃えられるようになりました。

ホームセンターに陳列された様々な種類のお米小分け用の袋

ファームストッカーでの保管方法/鮮度を保ちつつ衛生的に

なぜファームストッカーは米保管に向いているのか

やはり、その機能をフルに使いこなせるのが、米を始めとする大量の作物を保管する時です。実際、この井関農機のファームストッカーE14Bは最大30㎏入りの袋を7段を2列で14袋入れることができます。

ファームストッカーにお米を収めた瞬間

温度管理・湿気対策

温度

井関農機のファームストッカーは2℃~20℃の範囲で庫内温度を設定できます。お米の保管は我が家では18℃~19℃に設定して保管しています。これにより、特に冬場に精米機にかけた時の温度差による米自体の割れのリスクを低減させています(この他、ファームストッカーから出してから少し寝かして割れのリスクを低減)。

湿度

また、湿度も60~70%に保ってくれるので、結露やカビの心配をすることもありません。

ファームストッカー

衛生面(掃除・道具・虫対策)

道具

庫内下にすのこを置くことで最下部の袋の底の温度も均一に保たれるように工夫しています。

掃除

また、それにより袋自体へのゴミの付着を防ぎ、掃除もしやすいです。

虫対策

ファームストッカーは金属に覆われ、密閉性も高く作ってあります。そのため、ネズミや害虫の侵入を防ぎ、お米を衛生的に保ちます。

Know 農と生きるために

どうブログでネット販売すれば買ってもらえるか考える

なぜ軽量サイズにするのか

問題:運搬過程の負担

たとえ米袋を載せやすい仕様の車でスーパーに買い物に行ったとしても、それを陳列棚、レジ、車等各箇所で持ち上げて運ぶ必要性があります。これを腰に極力負担をかけずに身体を上手に動かし運べる方ならまだしも、妊婦や高齢者の方にはしんどい作業です。

解決策

そこで、ドアtoドアにして自分あるいは宅配で直接自宅へ運び、消費者の運搬過程の時短化をすることで、そうした社会的弱者の身体的負担を軽減させることができます。

最後のお米を運んだ直後の自家用車(ハスラー)

農家の顔が見えることで購入率は上がる

父が畑で採れた野菜をおすそわけで持ってきてくれている写真です。この写真のように、ブログを通し農家の顔・人となりを感じていただき、安心してお買い求めいただくことを目指します。

父が畑に水を持って行った足で採り、おすそ分けでもってきてくれた野菜

精米日・品種・味の特徴を書く

精米日

我が家の米は私自ら精米器に通してお送りするものです。できる限り発送日に近づけ、品質保持に努め、精米日は到着日にはご確認いただけるようにします。

品種

また、品種は”ほしじるし”という銘柄で大手ご飯物の飲食チェーンが採用していて味にも定評のあるお米です。

味の特徴

コシヒカリに近い良食味で、粒がしっかりしていてツヤがあり、これに加えて、冷めてもおいしいのが特徴です。

袋詰年月日
玄米状態のほしじるし

まとめ/『腰を守る米づくり』はこれから需要が増える

農家の米づくりの重労働を消費者に感じさせるような大袋販売は控え、直接農家が消費者に発送するパターンが最も効率的です。そのため、今後そうした形での需要は増えると考えます。昨今の米の値上がりに関しても、中間販売業者がいない分、コストを抑えられ、配送の時短を図れる方法です。更に自宅に小分け品が届くので、消費者が購入後の持ち運びの負担がかなり軽減できる持続可能な販売モデルと考えます。

白米

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