自治会の班長を終える3月末が近づいてきました。
1年間班長をやってみて、あることに気づきました。
それは
「みんな負担について本音を言っていなかった」
ということです。
以前から、ある行事については
「負担が大きいのではないか」という声はありました。
しかしその場では、
体を守るより体裁を守る空気があり、
本格的な議論にはなりませんでした。
ところが、あるきっかけから状況が変わりました。
少しの呼び水で、会員の皆さんが本音を出し合い、
結果として行事は身体を守る形に時短化することになりました。
今回は、その経緯をお伝えします。
沈黙が当たり前だった自治会の空気
班長になった当初、
私に本音を言ってくれる人はほとんどいませんでした。
班長になったばかりの頃、
その負担の大きい行事が平日に行われました。
仕事をしている私は参加できなかったため、
参加された方々にアンケートをお願いしました。
ところが、返ってきた内容は
- 「しきたりがよく分からない」
- 「進行が分からない」
といったものばかりで、
負担についての意見は一切ありませんでした。
互いに波風を立てたくない。
そんな雰囲気がはっきりと伝わってきました。
個別に聞いて初めて分かった本当の負担
しかしその後、
行事に参加された方々のお宅に
ねぎらいの挨拶に回った時のことです。
そこで初めて、実際の負担を知ることになりました。
ある働いている方は、
「本当は平日は難しいと言ったけれど、
結局会社の休みを取って参加しました」
と話されました。
また、足が悪い高齢の方は、
座敷に座ることができず、
椅子を用意して参加されていました。
皆さん無理をして参加していたのです。
言葉にしないまま、
「仕方ない」と我慢していた。
いわば同調圧力のような空気が
そこにはありました。
ベテラン会員への相談
この状況をどうするべきか。
私は自治会の事情に詳しい
ベテランの会員の方に相談に行きました。
その時言われたのは、意外な言葉でした。
「いきなり強く言わない方がいい。
『負担を減らすことの検討をお願いします』
くらいにしておきなさい」
という助言でした。
まずは問題提起だけを行う
私の班では偶数月に会合があります。
4月にその行事があり、
6月の会合で私は次のように報告しました。
- 行事に参加した方の中に負担があったこと
- 働いている方や高齢の方に無理があったこと
- 今後、負担軽減の検討が必要ではないか
しかしその場では
議論は広がりませんでした。
そして8月の会合でも、
この話題が出ることはありませんでした。
状況を動かした「10月の配役予定表」
流れが変わったのは10月の会合でした。
これまで、
次年度の行事の配役予定表は
年末か年明けの会合で配布されていました。
しかし私はあえて
10月の会合で配布しました。
そして資料の最後に
次の一文を入れました。
6月の会で○○行事について議題に挙げさせていただきましたが、
その後ご意見がございませんでした。
そのため昨年度に習い、次年度の配役予定を作成しました。
不備がございましたらお申し出ください。
一人の発言が空気を変えた
会を終えようとした時、
一人の方が手を挙げました。
足の悪い高齢女性の付き添いで
来ていた旦那様でした。
その方はこう言われました。
「今年の行事の時、妻は足が悪く座敷に座れませんでした。
椅子を用意して参加しました。
働いている方も休みを取って参加していると聞きました。
この行事を今の形のまま続けるのは
無理があるのではないでしょうか。」
その一言で、
会の空気が変わりました。
アンケートで意見を募ることに
時間も遅かったため、私は提案しました。
「回覧板でアンケートを回します。
この行事の負担軽減について、
皆さんのご意見を書いてください」
すると別の方から
「続けるかやめるかだけのアンケートでは問題がある」
という意見も出ました。
そこで私は
自由に意見を書ける形式のアンケート
にすることをその場で伝えました。
本音を書きやすいアンケートの工夫
アンケートは
本音を書いてもらうため工夫しました。
- 無記名
- 四つ折り
- ホチキス止め
- 大きな封筒に入れる
他の人の意見が
見えないようにしたのです。
また、行事の歴史や
現在の状況に至った経緯を調べ、
長年尽力してきた人への敬意も
前文に書き添えました。
アンケート結果
結果は次の通りでした。
- 行事をやめる 約4割
- 簡素化する 約5割
- そのまま続ける 約1割
多くの方が
何らかの負担軽減を望んでいました。
議論のたたき台を用意する
議論を整理するため、
AI(ChatGPT)にも案を出してもらいました。
その内容は
- 行事は存続
- 負担は半分以下
- 参加は自由
というものでした。
これをたたき台として
会合で議論することにしました。
会合での議論
議論が始まると、
以前相談したベテラン会員の方がこう言いました。
「最近は自治会の負担を嫌って
役を終えると辞めてしまう若い方も増えています。
今回の行事は、
会合の時に志のある人だけで
やる形にしてみてはどうでしょうか」
すると賛同する声が次々に出ました。
結果:行事は「会合時に行う形」へ
議論の結果、行事は
会合の時に、志のある人だけで行う
という形に変わりました。
負担の大きい準備や
人手の確保は不要になり、
行事は大きく時短化されました。
まとめ
続けるより「守る」を選んだのが結論です。
行事には大切な意味があります。
しかし、無理をして続けるものではないと思います。
今回、皆さんの本音を聞いたことで
行事は形を変えながら続くことになりました。
続けることより、身体を守ること。
それを優先した結果、
地域の行事も無理のない形に変わりました。
班長としての一年は終わりますが、
今回の経験はとても大きな学びでした。

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